親にされた些細なことで、ずっと覚えていることがありました。
あなたにも、そんなことがあるかもしれません。
私の場合、大人になった今でも、嫌そうな顔をした母の顔をつい思い出してしまうことがありました。
今日は、そんな痛みの記憶を書き換えてくれた「ロールプレイ」というワークについて書いていきます。
もしかしたらあなたも、本当に言って欲しかったことに気付いていくかもしれません。
「もう、大丈夫だよ。
あなたは、充分イイ子だったよ。」
私は欲しいものが買えなくなった。
先日参加した、人間心理学センターピースの中級で、ロールプレイというワークの中に、私は、この古い記憶を思い出したのです。
当時、小学生だった私は、可愛いクマさんが書かれた、カフェオレボウルに一目ぼれしたのです。
通販で頼むと、月に1回、定期的に届くタイプでした。
サイズもちょうど良くて、毎回違うクマさんが書かれていて、カタログを見ただけで、心が躍りました。ワクワクしました。
だって、とっても可愛かったから。
「これでオシャレに、カフェオレなんか飲んじゃったり!」とか、
「我が家にこのカフェオレボウルがたくさん並んでいたら!」とか、
妄想が膨らんでいき、ついに母に買ってくれるように、お願いしたのです。
でも、何回目の時だったでしょうか、、、
もしかしたら、最初からそうだったかもしれません。
請求書が届いたことを母に知らせると、とても嫌な顔をされたのです。
そして、その鬼のような形相で、詰問されたのです。
「どれほどお金を稼ぐのが大変か、分かってる?」
「あなたは、いい気なものね。」
「本当にそれが欲しいの?それは必要なものなの?」
毎回毎回、そのように言われるようになり、最後には、無言で請求書を奪われるということになりました。
とてもとても嫌な記憶で、おそらくここから、私は好きなものを買ってはいけない。という考え方を持つようになりました。
生活に必要なもの以外、自分が単純に好きなものを買うと迷惑がかかる。
無意識のうちに、そんな風に思うようになったのです。
ロールプレイワークで気づいたこと3つ
今回、この記憶をロールプレイすることで、気付いたことがありました。
①怖い以外の気持ちを忘れていた。
痛みの記憶では、4つのマイナス感情が存在していると言われています。
私はこの記憶の中では、恐れを強く感じていました。
とてもとても怖かったから。
でも、そこには、他の感情も存在していました。
私はこの記憶で「母からの愛」というものを失ったと感じ、とても悲しかったのです。だから、もう、安心できるものがないんだと思っていました。
そして、母が嫌な顔をしたことに、じつは、とても怒っていました。
「私がいったい何をしたというんだ!」
怖いという感情の裏には、そんな感情もあったのです。
怒っていい。わめいていい。そんなことも、知らず知らずのうちに我慢していたのかもしれません。
②罪悪感を隠したかった。
これが、とても意外でした。
この記憶の中で、本当に大切な感情は、罪悪感でした。
ワークをする前は、4つあるはずのマイナス感情で、罪悪感だけが、どこか薄っすらと感じているような、感じていないような、そんな気分でした。
「この出来事で、罪悪感かぁ、、、あるかな?」と、いまいちピンときていなかったのです。
そして、これこそが、ビックチャンスでした。
出てこない感情ほど、自分の中で大切に温めている感情です。
私の場合、ここで出てきたのが、
「わがままでゴメンね」という本音でした。
本当は、私がお母さんに、謝りたかったのです。
嫌な顔をされて、暴言を吐かれても、「私が良い子じゃなくてごめんね。」と思い続けていたのです。
③母からのゴメンね。
ロールプレイのワークでは、相手に自分が言って欲しいセリフを言ってもらいます。
そこで、「あなたは充分いい子だったよ。ゴメンね」と言われた時、これこそが、母に言ってもらいたかったことだと、すごくハッとしました。
あなたは、充分いい子だった。
あなたは、充分いい子だった。
あなたは、充分いい子だった。。。
何度も何度も言ってもらう度に、心の奥深くに染み込んでいくようでした。
好きなものを買って欲しいなんて、私はなんてワガママで、ダメな子なんだと思っていました。それは、心に蓋をするぐらい、痛い記憶でした。
でも、
「あなたは、充分イイ子だったよ。ごめんね。」相手にそう言ってもらうだけで、まるで本当の母がそう言ってくれたように感じました。
とても優しい気持ちになり、心が軽くなったのです。
本当に言って欲しかったこと。
センターピース中級では、こんな感じで心のブロックが解放されていきました。
「もう大丈夫。あなたは充分いい子だった。」
そんなことを言って欲しかったなんて、昔の自分では気付けなかったかもしれません。
あなたも、いつもなんとなく思い出してしまう記憶はありますか?
本当は、なんて言って欲しかったのでしょう?
心の中の自分は、いつも知っているのかもしれません。